「自分探し」に疲れたあなたへ。『自分とか、ないから。』を読んで転職4回の私が救われた理由

心地よい働き方(キャリアと心)

本編に入る前に、私の人生を変えたこの本について少しだけご紹介します。

『自分とか、ないから。教養としての東洋哲学』 著者:しんめいP

偏差値35から東大に合格した著者が、自身の「自分探し」の果てに行き着いたのは、2500年前の「東洋哲学」でした。「自分をしっかり持たなければならない」という現代の呪縛を、仏教や老子・荘子の考え方を使って、驚くほどユーモアたっぷりに解き明かしてくれる一冊です。

「本当の自分」を見つけなきゃいけないという呪いからの解放

20代で転職を繰り返したり、休職を経験したりしていると、「自分は何がしたいんだろう?」「本当の自分ってどこにいるんだろう?」と、終わりのない自分探しに迷い込んでしまいがちです。

結論からお伝えすると、しんめいPさんの著書『自分とか、ないから。』は、そんな「自分をしっかり持たなきゃ」というプレッシャーで苦しんでいる人の心を、根底から軽くしてくれる一冊です。

私は体育大時代から「強い自分」や「一貫性のある自分」を求められ続けてきました。社会に出てからも、4回の転職を経て「一貫性のない自分」を責め続けていたのです。しかし、この本に出会い、**「そもそも『自分』なんていう固定されたものは存在しない」**という東洋哲学の考え方に触れた時、張り詰めていた心の糸がふっと緩むのを感じました。

  • 「自分」という入れ物は、周りの環境や人間関係によって常に変わっていい
  • 一貫性がないことは「ダメなこと」ではなく、変化に柔軟な証拠である
  • 「自分を確立しよう」と頑張りすぎるから、理想と現実の差に苦しむことになる
  • 「自分探し」を止めた瞬間に、今目の前にあることに集中できるようになる

この本は、難しい仏教や哲学の言葉を、驚くほどわかりやすく、現代の悩みに当てはめて解説してくれます。そして途中クスっと笑ってしまうようなユーモアのある本で、まさに、行き止まりだと思っていた私のキャリア・人生に、新しい風を吹き込んでくれた「お守り」のような存在です。

「自分がない」からこそ、どんな場所でも新しく種をまける

「自分がない」と聞くと、なんだか空っぽでネガティブな印象を持つかもしれません。しかし、本書が教えてくれるのは、「自分がないからこそ、どんな色にも染まれるし、どこへでも行ける」という圧倒的な自由です。私は4回の転職を「失敗の積み重ね」だと思っていましたが、この考え方を取り入れてからは、「その時々の環境に合わせて、最適な自分を演じてきただけなんだ」と肯定できるようになりました。

例えば、私が現場の仕事に夢中になっていた時の自分と、広報として数字を追いかけていた時の自分は、全くの別人でした。それでいいのです。「本当の自分」なんていうたった一つの正解を探すのを止めると、新しい環境に飛び込む恐怖が驚くほど小さくなります。

  • 【具体例】 カメレオンが環境に合わせて色を変えるように、私たちも場所に合わせて自分を変えていい
  • 【具体例】 転職回数が多いのは、それだけ多くの「異なる自分」を経験できた豊かな財産である
  • 【具体例】 休職期間も「社会人としての自分」をお休みして、「ただ生きている自分」を楽しめばいい
  • 【結論】 どこに行っても「自分」を連れて歩く必要はなく、その場その場で芽吹けばいい

「ココカラタネマキ。」というブログ名にも通じますが、種をまく場所が変われば、咲く花の種類が変わるのも当然です。一貫性に縛られず、その時々の「縁」を大切にする生き方が、どれほど心をラクにしてくれるかを教えてくれました。

繊細な人にほど読んでほしい「縁起(えんぎ)」の考え方

特に、周りの空気を感じ取りすぎて疲れてしまうHSP気質の方や、私のように「根性」で無理をしてきた体育会系出身者にとって、この本にある「縁起」という考え方は救いになります。**「全ての物事は関係性の中で起きているだけで、あなたの性格のせいではない」**と、この本は優しく肩を叩いてくれるからです。

私が休職に至ったのも、私の根性が足りなかったからではなく、当時の「環境」と私の「気質」がたまたま激しくぶつかり合ったという「現象」に過ぎませんでした。自分を責めるのを止めて、「たまたまそういう時期だったんだな」と客観的に眺めることができるようになると、心の回復スピードは劇的に上がります。

  • 失敗した時に「私がダメだから」と自分に矢印を向ける癖を卒業できる
  • 苦手な人がいても「相性が悪いという現象」だと捉えて、必要以上に傷つかなくなる
  • 「自分を良く見せよう」という自意識が薄れ、他人とのコミュニケーションが軽やかになる
  • 過去の苦い経験も、今の自分を作る大切な「縁」の一部として受け入れられる

「自分を磨く」のではなく、「自分へのこだわりを捨てる」。この逆転の発想こそが、現代社会を賢く、しなやかに生き抜くための最強の武器になると確信しています。

最後に:重い荷物を下ろして、軽やかに「次」へ行こう

転職4回、休職1年半。そんな私のプロフィールを見て「大変だね」と言う人もいるかもしれません。でも、『自分とか、ないから。』を読んだ今の私は、**「それだけ面白い経験というタネをたくさん持っているんだ」**と言えます。

もしあなたが今、履歴書を前にして「自分には一貫性がない」と手が止まっているなら、ぜひこの本を開いてみてください。「自分」という重い荷物を一度地面に置いてみると、驚くほど体が軽くなって、新しい一歩が踏み出せるようになります。

  • 「自分はこういう人間だ」という思い込みを捨て、可能性を広げる
  • 「~しなきゃ」という義務感から解放され、今この瞬間を味わう
  • 不完全な自分を丸ごと受け入れ、どんな場所でも「タネマキ」を始める
  • この本を読み終わった時、あなたの「転職回数」への見方は180度変わっているはず

完璧な自分なんていりません。ただ、その時その時の縁を楽しみながら、軽やかに生きていく。そんな「ここたね流」の生き方のヒントを、この本は教えてくれました。

最後に:あなたも「自分探し」を卒業しませんか?

「一貫性がない自分」を責めて立ち止まってしまうのは、あなたがそれだけ真面目に、一生懸命に生きようとしている証拠です。でも、もしその真面目さがあなたを苦しめているのなら、一度この本に頼ってみてください。

読み終わる頃には、履歴書に並ぶ転職回数も、休職した空白の期間も、すべてが「愛おしい自分のタネ」に見えてくるはずです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました