気持ちが不安定になったり、人間関係で大きく揺さぶられたりすると、
「もしかして私、境界性パーソナリティ障害なのかな」と不安になることがあります。
まず最初にお伝えしたいのは、
あなたが苦しんでいるのは、弱いからではなく、心がとても敏感で頑張り続けてきた証拠
だということです。
ここで紹介するセルフチェックは診断ではありません。
ただ、あなたの “しんどさの輪郭” を少し見えるようにするためのものです。
今のあなたに必要なケアを一緒に探していきましょう。
境界性パーソナリティ障害(BPD)とは?

強い感情の揺れや、見捨てられることへの恐れ、人間関係の不安定さを特徴とする状態のことです。
ただし、これは「性格の問題」ではなく、
これまでの経験・環境・気質が積み重なって心が疲れ切ってしまった結果
起こるものでもあります。
自分を責める必要はありません。
セルフチェック(全18項目)
以下の項目で、当てはまるものを数えてください。
「少しでも心当たりがある」程度でも構いません。
A. 見捨てられ不安について
- 相手の言葉や態度の小さな変化に強い不安を感じる
- 嫌われたかもしれないと考え出すと止まらなくなる
- 見捨てられる前に自分から距離を置こうとしてしまう
B. 人間関係の不安定さについて
- ある瞬間は相手を強く信頼し、別の瞬間には不信感が高まる
- “この人しかいない” と感じる時期と “もう無理かも” と感じる時期を行き来する
- 人間関係が壊れるのが怖くて、必要以上に気を使ってしまう
C. 自分自身についての不安定さについて
- 自分が何者なのか分からなくなる感覚がある
- 気分によって自分の価値観や行動が変わりやすい
- 自分のことを長く好きでいられない
D. 強い感情の揺れについて
- 気分が短時間で大きく変わる
- 感情が高ぶると、落ち着くのにかなり時間がかかる
- 喜び・怒り・悲しみの波が激しいと感じる
E. 衝動的な行動について
- イライラや孤独の強さで衝動的な行動をしてしまう
- 落ち込んだときに破壊的な選択をしてしまうことがある
- 不安を埋めるために無理をしてしまう
F. 空虚感について
- ふとした瞬間に、心が空っぽになったように感じる
- 何をしても満たされない感覚が続く
- 一人になると、落ち着かなさや孤独が一気に押し寄せてくる
チェックの数から分かる「心の状態」
※これは診断ではなく、あなたが今どんな状態にいるのかの “めやす” です。
● 0〜4個
感情の揺れがあっても、比較的整理しやすい状態。
疲れが溜まっているだけのこともあります。
● 5〜9個
繊細さが強く、対人ストレスの影響を受けやすい状態。
休息や安心できる関係が大切。
● 10〜14個
心が大きな負荷を抱えた状態。
一人で抱え続けてきた可能性があります。
専門家に相談すると、心が軽くなるケースが多いです。
● 15個以上
日常生活や人間関係への負担が大きく、
心が深く傷つきやすい時期にいる可能性があります。
あなたが頑張りすぎてきた証拠でもあります。
安心できる相談先を持つことで、気持ちが落ち着きやすくなります。
自分を責めずに向き合うために

境界性パーソナリティ障害の特徴は、
「わがまま」「重い」「性格の問題」ではありません。
むしろ
深く愛せる
強くつながりを求める
感情が豊か
傷つきやすいほどの優しさを持っている
そんな特性が背景にあります。
そして、
これまでの環境や経験の中で
その優しさがうまく守られなかっただけなのです。
今できる小さなケア

1. 感情をそのまま否定しない
「こんな気持ちになってもいい」と認めることが、心を守る第一歩です。
2. 安心できる相手とつながる
信頼できる人が一人いるだけで、揺れは大幅に減ります。
3. 情報を集めすぎない
調べすぎは不安を悪化させることがあります。
4. 専門家のサポートを検討する
あなたの苦しみを一緒に整理してくれる、心強い味方になります。
まとめ
境界性パーソナリティ障害かもしれないと感じると、不安や焦りが大きくなります。
でも、それはあなたが弱いからではありません。
あなたがずっと必死で頑張ってきた証拠です。
その頑張りを少しだけ、誰かと一緒に持つ方法を探してみても大丈夫です。
このチェックが、あなたの心を理解するための優しい手がかりになりますように。




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